このホームページの開設のきっかけは、平成24年~25年度科学研究費の助成を受け、透析中に低血圧などを生じて透析の中断・中止を余儀なくされる患者さんにどのようにすれば楽な透析を提供できるのかを考えたことが始まりです。
単に投薬を実施したり、飲食の制限を医療者側で指導・教育することにより患者さんにその効果を期待することは現状の処置や治療と変化がなく、根本的な改善がみられず症状による愁訴が繰り返し続いていくこととなります。
2013年末の透析患者さんの透析導入平均年齢は68.4歳と高齢化し、老年期の方が圧倒的多数を占めます。中には認知機能の低下により自己管理が難しい患者さんもいらっしゃいます。そのような透析患者さんの特徴から自己管理だけに目を向けるのではなく、医療者が辛くしんどい透析になるのではないか?ということを早期に予見することで、計画的な除水計画を立案したり、医療者の配置数を増やすことによりいざというときには適切な対処ができるようなシステムを構築し「備えある透析」を提供することができます。また、特殊透析への移行や今まで使用していた薬剤投与の低減を図ることによる医療費の削減を期待することができます。
このホームページには「備えある透析」を実践するためのほんの一例ではありますが研究実績を掲載しています。多くの透析患者さんをはじめ、透析医療に従事する看護師や臨床工学技士の方々に日頃のケアや治療の参考になればという思いで自由に閲覧できるようになっています。
このことがきっかけでより多くの方々とグループディスカッションや、ケ-スカンファレンスによる交流を図り、情報交換の場となることを研究会のメンバー一同願ってやみません。